二酸化炭素吸収量をテクノロジーで測定しカーボンクレジット取引の活性化と日本のGX領域のプレゼンスを強化
一般社団法人Natural Capital(理事長 馬奈木俊介、以下「ナチュラルキャピタル」)は、カーボンクレジット市場の活性化を通じた脱炭素社会の実現を目的に、ナチュラルキャピタル
クレジット コンソーシアム(以下「NCCC」)を設立しましたのでお知らせします。
森林・農地・海洋資源など自然資本のポテンシャルによる二酸化炭素(以下、CO2)※1の吸収量をテクノロジーの利活用を通じて測定・評価、クレジット化することにより、カーボンクレジット市場の活性化を促進します。
NCCCは、ナチュラルキャピタルの代表である九州大学都市研究センター長馬奈木俊介教授の学術研究とその成果を元に、ナチュラルキャピタルを事務局として、参画企業・自治体などとともに共同体を構築し、森林や農作地などのCO2吸収量を測定・評価し、クレジット化するとともに、気候変動対策のためにカーボンオフセットを必要とする企業や団体に対して提供してい
く活動を推進します。
NCCCの参画企業・自治体は、会員間の意見交換や勉強会への参加、クレジットの売買、ビジネス機会の創出が可能となります。
クレジット化に際するCO2吸収量の自然資本のフィールドは、参画自治体を対象とし、測定・評価したCO2吸収量のクレジットの販売は、参画企業またはカーボンクレジット市場において行
います。
NCCCは、独自の測定・評価およびクレジットを創出するとともに、VCSやゴールドスタンダードなどの主要なボランタリークレジットの認証を取得する予定です。NCCCは、CO2吸収量測定にあたり、参画企業のソフトバンク株式会社が提供する農業AIブレーン「e-kakashi(イーカカシ)」などの最新テクノロジーを活用し、精度の高い測定や評価を目指します。
NCCCは、森林や農作地のCO2吸収量の測定を皮切りに、海洋資源、省エネルギー設備の導入などによる都市開発・街づくりのCO2吸収量や削減量を評価・測定することを目指します。森林や農作地の維持は、少子高齢化にともなう労働力不足、防災・治水の観点からも重要な社会課題となっており、本取り組みによるクレジットの創出と活性化は、自治体や農林水産業従事者などの収入源になることで地方の経済面での活性化も期待されます。
第27回気候変動枠組条約締約国会議(COP27)では、パリ協定で掲げられた1.5°C努力目標の難易度と気候変動への対応のさらなる重要性が議論され、ブラジル政府は、2022年5月から試験運用を開始したカーボンクレジット購入プログラムを主な対策として紹介するなど、世界でカーボンクレジットの重要性が話題となっています。また、世界的な政府や企業の気候変動対策の高まりとともに、2020年には世界的な企業・団体250社以上が加盟する自主的炭素市場の拡大に関するタスクフォース(TSVCM)が設立され、ネットゼロ社会を実現するために、現在のクレジット市場を15倍以上にする重要性が提言されるなどカーボンクレジット市場の活性化が求められているおり、その評価の透明性や測定精度やモニタリングなどのガバナンス・規格・担い手は喫緊の課題となっています。
日本のカーボンクレジット市場は、国が認証するJークレジットを中心に年々発行数が右肩上がりに伸長するほか、来年本格稼働が予定されるGXリーグでは参加企業による排出量取引(GX-ETS)の実施に向けたルールメイキングが進められるとともに、「アジア・ゼロエミッション共同体」構想取り組みの一つとして民間資金を活用したカーボンクレジット※2創出・流
通も位置付けるなど、その重要性が高まっています。
NCCCは、NCCC会員とともに日本のグリーントランスフォーメーション分野におけるカーボン
クレジット市場の活性化を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
※1 地球温暖化の主な原因と言われている温室効果ガスの内、二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大き いと言われています。 ※2 森林の保護や植林などによるCO2等の温室効果ガス削減効果をクレジットとして認証するもので、企業間での取 引を可能にする仕組み。
コンソーシアムメンバー一覧(2022年12月14日時点)※五十音順
事務局
一般社団法人Natural Capital 参画企業 株式会社アクロテリオン 株式会社アバンティ 飯野海運株式会社 インフロニア・ホールディングス株式会社 エコリンクス株式会社 鹿児島トヨタ自動車株式会社 九州電力株式会社 株式会社熊本銀行 株式会社建設技術研究所 株式会社後藤建設 西部ガス株式会社 株式会社佐賀銀行 株式会社シー・トゥ・ディ ジャスミー株式会社 株式会社十八親和銀行 城山観光株式会社 株式会社スカイマティクス ソフトバンク株式会社 損害保険ジャパン株式会社 第一生命保険株式会社 株式会社筑邦銀行 株式会社長大 有限会社辻田建機 東京ガス株式会社 日創プロニティ株式会社 日東電工株式会社 日本テレネット株式会社 株式会社福岡銀行 株式会社福山コンサルタント ESカーボンクレジット合同会社 Green Carbon 株式会社 株式会社JVCエンジニアリング 株式会社TREE
オブザーバー参画自治体
大分県国東市 佐賀県有田町 福岡県北九州市 福岡県中間市 福岡県直方市 福岡県久山町 福岡県福岡市 福岡県宮若市 福岡県宗像市 後援 国立大学法人九州大学 聴講参加 環境省 国土交通省 農林水産省 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
発起人コメント
馬奈木俊介(一般社団法人Natural Capital理事長、九州大学主幹教授・都市研究センター長)
カーボン・クレジット市場の成長や自然資本を増加させるネーチャーポジティブがこれからの大きな課題です。国内の自治体に貢献し、更にアジア太平洋を対象に企業が率先して推進していくことが期待できます。
参画企業コメント
株式会社アクロテリオン
弊社は、令和元年に設立した自治体のまちづくり支援を目的としたアドバイサー・コンサルタント会社です。近年、SDGsはじめ持続可能な社会を作るための取組みがようやく叫ばれる様になってきましたが、地方自治体での具体的な取組みや中小企業においては、まだまだ何をして良いのか、考えあぐねている状況だと思われます。特に脱炭素社会の構築に向けて、これから何をしていけば良いのか、NCCCを軸とし、多くの知見を取り入れて、地方自治体および中小企業へのGXアドバイザーとして、取り組んで行きたいと考えております。
株式会社アバンティ
大地から再生まで、オーガニックコットンのすべてをシームレスにつなぐ1985年創業の株式会社アバンティ。綿の自給率1%を目指し、日本国内での綿花栽培を通してカーボンクレジットを生み出すことを目標としています。
鹿児島トヨタ自動車株式会社
NCCCの理念に賛同して参画しました。国内で唯一2つの世界自然遺産を有するのが鹿児島県です。自然資本が豊富な地域の一員として、モビリティやエネルギーの観点からカーボンニュートラルの実現を共に目指してまいります。
株式会社建設技術研究所
当社は社会インフラ整備やまちづくりに関する調査・計画・設計等を担う建設コンサルタントです。企業のCO2削減と持続可能な地域社会の形成の同時達成を目指し、本コンソーシアムの活動を推進して参ります。
株式会社後藤建設
NCCCの設立により、先進的なボランタリークレジットの市場が創造されることに期待しております。弊社もその一端を担えるよう取り組みを推進していきたいと考えております。
株式会社佐賀銀行
この度はナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアムの設立おめでとうございます。今日の日を迎え、感慨もひとしおのこととお慶び申し上げます。
地域の脱炭素化を促進するとともに、地域活性化に資するプロジェクトの成功に期待しております。今後のご繁栄と、皆様方のご健勝を心よりお祈りしています。
株式会社シー・トゥ・ディ
NCCC設立おめでとうございます!日本のカーボン・ニュートラルはアカデミア発で如何に民間を巻き込むことこそがカギだと思っており、官クレとは別軸は非常に意義の高い取り組みとチャレンジに感動しております。
ジャスミー株式会社
ジャスミー株式会社は、NCCCのカーボンクレジット創出、市場の活性化の取り組みに強く賛同します。トークン発行をはじめ独自のブロックチェーン技術など様々な技術提供により、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に寄与していく所存です。
城山観光株式会社
ナチュラルキャピタルクレジット コンソーシアムに参画できることを大変光栄に思っております。
コンソーシアムを通じ他の参画企業様や自治体と連携しながら気候変動対策へ具体的な取組を進めていきたいと思っています。
ソフトバンク株式会社
当社は、2050年までの「ネットゼロ」達成を宣言するなど、気候変動対策を経営の重要課題と認識し、脱炭素社会実現に資するさまざまな取り組みを推進しています。本コンソーシアムへの参画を通じて、テクノロジーという当社の強みを活かし、地方創生とカーボンクレジット市場の活性化に貢献していきたいと考えています。
損害保険ジャパン株式会社
損保ジャパンは、人と自然が調和したレジリエントなカーボンニュートラル社会の実現を目指し、取組みを加速させています。NCCC参画を通じ、日本の自然資本の回復・保全を行うとともに、カーボンクレジットの普及を促進し、新たなソリューションの提供に取り組んでまいります。
第一生命保険株式会社
当社はNCCCの目指す地域創生および脱炭素社会の実現という点に共感し、コンソーシアムメンバーとして参画することを決めました。脱炭素社会の実現に向けて、地域・企業がともに活性化すること期待しています。
株式会社筑邦銀行
筑邦銀行が掲げるサステナビリティ方針(“ネイチャー・ポジティブ&カーボンネガティブ”)に基づく活動の一環として本コンソーシアムに参加いたします。カーボンクレジットの創出を通じて地域の活性化・脱炭素化が推進されるものと期待しています。
有限会社辻田建機
世界の権威によるNCCCの設立で、国際市場で先進的なボランタリークレジット市場が創出される事を期待しています。弊社も馬奈木教授のご指導のもと、市場拡大における一翼を担う取組をさらに推進して参ります。
株式会社福山コンサルタント
弊社は地域密着型で社会課題の解決に取り組んでいます。インフラ整備において今後CO2削減は重要課題であり、自治体と共同でカーボンニュートラルを推進していきます。
Green Carbon 株式会社
コンソーシアムの発足ができ大変嬉しく思います。当社は海外で認証されているカーボンクレジット事例を海外で行い、日本にその事例を輸入していくことで、より多くの脱炭素の取り
組みを日本に展開していければと考えております。その中でNCCCは日本の脱炭素の挑戦を支援する大きな足がかりとなると確信しております。より多くの企業様に参画していただき多くの脱炭素への取り組み事例を作っていければと思います。
株式会社TREE
サステナブルな社会への行動変容を促す映像メディアやESD教育プログラムを提供して15年。緊迫する気候変動対策や生態系回復に向けて本コンソーシアムと共に啓発事業を加速させていきます。
オブザーバー参画自治体・研究機関コメント
大分県国東市
この度は、NCCCを設立されましたこと、心よりお祝い申し上げます。
国東市では二酸化炭素排出実質マイナスとなる「カーボンネガティブ」を進めるためにNCCCの設立は心強いばかりです。今後の取り組みにご期待し、ご活躍をお祈り申し上げます。
福岡県中間市
ナチュラルキャピタルクレジット コンソーシアムのご設立、誠におめでとうございます。脱炭素社会実現という共通の目的に向かい、微力ではありますが当市もお役に立てるよう取り組んで参ります。
福岡県久山町
NCCC設立をお祝い申し上げます。
久山町では日本初の「カーボンネガティブ&ネイチャーポジティブ」宣言を行いクレジット創出などを推進しています。脱炭素社会の実現に向け、NCCCの今後の発展を心からご祈念申し上げます。
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
JAXAは多様な地球観測衛星を開発、運用しています。CO2の濃度から海洋や森林など様々な自然資本に関する物理量、情報を取得できます。本コンソーシアムで衛星データ活用の検討が進むことを期待しています。
本件に関する報道関係者からの問い合わせ先
一般社団法人Natural Capital
担当:諸岡 E-mail:morooka.y@kakou-nisso.co.jp Tel:090-6424-4173